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出会いと別れ

日本では3月は別れの季節、そして4月は新しい出会いの季節。
「あなたに会えてよかった。」 日本語ではどちらかと言えば別れの言葉。

中国語の教科書の第一課は次の言葉で始まる。b0103502_21522100.jpg

认识你很高兴!
(初次见面,通过介绍后认识的常用语。)

Glad to meet you !
Common sentence at first meeting espesially through the introduction.

中国語では出会いの言葉、一点の曇りもない。

日本語でも「お会いできて光栄です。」という。しかしこの日本語は英語の直訳だろう。

「あなたに会えてよかったよ。」女性が万感の思いをこめて発するこの言葉は、私にとって、いつも別れの言葉だった。
若い頃、というと、ずいぶん以前の話になるけれど、何人かの女の子が、この言葉を残して私の前から去っていった。

女性に背を向けて去った記憶はない。彼女たちの後姿をいつも見送った。
それがやさしさだと信じて疑わなかった。

「あなたに会えてよかった。」
それは彼女たちのせい一杯のやさしさだったかもしれない。
........
对日本人来说,3月是离别的时候,4月是相遇的时候。
反复一次次的离别和相遇就是人生的本质。
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by shengM2 | 2006-03-24 13:30 | 独り言

2006年3月19日-午前10時30分 「中国語を忘れる日-1」

b0103502_083260.gifあとでわかったことだが、その日、東京では低気圧の影響で観測史上初の強い突風が吹いた。
「爆弾低気圧」というらしい。なにもそんな可愛いげのない名前をつけなくてもいいと思うのは私だけではないだろう。

10:30 とりあえず池袋のコインロッカーに荷物を入れてから基点となる東池袋に向かう。大切な荷物だ。中身について言及する前に、先に進む。
有楽町線東池袋に着く。この駅は初めて降りる。案内板に従って3番出口に進む。雑司が谷が近い、地上に出るとすぐ目の前が都電荒川線の池袋三丁目駅である。

この場所が基点となる。
荒川線に乗って終点の三ノ輪橋へ向かう。1時間はかかるだろう。地下鉄で行けばすぐである。都電なら160円で少し安い。ただしそういう問題ではない。
b0103502_19324156.jpg都電荒川線は王子あたりまで大きく北にふくらんで走る。王子付近は昔仕事でよく来た。飛鳥山公園の桜は当然のことながらこの時期まだつぼみも膨らんでいない。「○△医院」とかの看板が目に入る。医院は中国語では病院、日本に来た中国人はこの国はなんて病院の多い国かと思うのだろうか?では日本の医院は中国語ではなんと言うんだったっけ?とりあえずどうでも良い。今日は中国語のことは忘れるつもりだ。
三ノ輪橋で下車、歩いて浅草に向かう。少し風が吹いてくる、これは歩きにくい。こんなことならウォーキングシューズを履いてくれば良かった、かもしれない。
予定外だがタクシーに乗る。千束五差路で降りる。どうせなら浅草寺まで乗り付ければいいではないかと思うだろうがそれでは困る。荒川線車中で下町の人情溢れるおじいちゃん、おばあちゃんを見て、南千住、入谷、千束と進んで浅草につなぐ。浅草寺に一般の観光客と逆方向から入っていく。そう決めていた。
千束五差路からひさご通り、六区ブロードウエイをゆっくり歩いて浅草寺に向かう。

正午、予定通り浅草寺に着く。
b0103502_19361679.jpgなぜ今日が中国語を忘れる日なのか?一度自分の中から中国語をマスターしたいという気持ちをなくしてみたいと思ったからだ。
1年近くも中国語の勉強を続けていると、さすがに中国のことが好きになる。中国人というだけでなんとなく友達になりたいと思うようになる。実際、そのぐらいでないと語学というのはマスターできない。過去英語で実証済みだ。で、以下のようになる。

・仕事で必要だから中国語を勉強しています。
・中国語をマスターするために中国のことをもっと知りたいです。
・中国語を勉強しているので中国の文化に興味があります。
・あなたは標準語のきれいな中国語をしゃべるので、あなたと会話がしたいです。
・あなたと友達になって中国語をマスターしたいです。

これは実は失礼な話である。要は中国語を勉強するという目的がなかったら、中国にも中国人にも興味がないのですね。極論すればそういうことになる。
言葉はコミュニケーションの道具である。言葉ができれば意思疎通がはかれる。そして相互理解が深まり、より良い人間関係を作ることができる。
当然のことながら言葉は手段であって、目的ではない。
これをさかさまにして言葉を学ぶ目的で人間関係を作っても、それは偽物だ。


語学を勉強してしばらくすると、そういう当たり前のことが自分の中で整理できなくなる。だから今日は中国語を忘れる。忘れ去ったあと、中国や中国の人たちに対してどういう感情が残るのか。それを確認しておきたい。 (続く)
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by shengm2 | 2006-03-19 23:30 | ・・・Overture 東京

2006年3月19日-正午 「中国語を忘れる日-2」

b0103502_091532.gif花やしきの方から浅草寺境内へ入った。こういうところに来ると、とりあえずお賽銭をしないと落ち着かない。お寺でも神社でもお賽銭は5円と決めている。大きな頼みごとをするときはお賽銭も多めに、と言う人もいる。そういう問題ではないと思う。
そもそも、お参りする時の、私のお祈りの言葉は決まっている。

「みんなが幸せになれますように!」
少し間が抜けている。普通はお金持ちになれますように、とか家内安全!とか、もうちょっと具体的に自分のことをお祈りするものである。
しかし、あまり自分のことだけ頼みごとをするとなにやらばちがあたるような気がする。
そういうひ弱なやさしさが、自分の中にあることが、あまり好きではなかった。
男の人生はもっと自分勝手で良い、と言う人もいる。
そういう人はそういう人生をおくれば良い、と今は思う。

b0103502_2250879.jpg済ませるものを済ますと、とたんにお腹が空く。出店でたこ焼きを食べる。この手の「粉モン」(という)は大阪には勝てない。期待しないから、それなりにおいしい。これで昼食終了だ。
仲見世をゆっくりおのぼりさん気分で歩く。素通りというのも寂しいので、雷門あたりでカボチャのお守りを買う。中に小さな瓢箪や小判、大黒様などが入っている。
愛すべき陳腐さが気に入る。

愛用のSEIKO電子辞書にぶら下げておこうかと思ったりする。
いけない、また中国語のことを考えている。
今日は違うものを、しっかりと見なければならない。


b0103502_2251496.jpg14:05 水上バスに乗る。2回目だ。初めて乗ったのは去年の5月22日、たまたま三社祭りの日だった。有名なお祭りらしい。京都にずっと住んでいたのでお祭りには不感症気味だ。
3Fのデッキに坐る。少々寒いが耐えられないというレベルではない。
この水上バスは通常9つの橋を通過する。この日は春の花見客用バージョンで墨田公園沿いに少し上流に運行してからUターンして川を下る、おまけつきだ。
といっても桜は早咲きの木が3本ほど、申しわけ程度に桜色になっているぐらいだ。実に中途半端である。
隅田川にかかる橋は日本の近代化の象徴である。それぞれの橋に設計者の意気込みが感じられる。戦後、西洋に追いつくためにひたすらがんばったかつての日本人の気持ちがなんとなく伝わってくる。

他人事のように言っているが、私もその「かつての日本人」の一人かもしれない。
デッキに出ているのは外国人観光客がほとんどだ。アジア系の人たちが多いようだが、幸い中国の観光客は見当たらないようだ。
今はレインボーブリッジができてしまたが、東京湾からの玄関口となる勝鬨橋を渡ると浜離宮恩賜公園に到着する。
今日はここで降りる。
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by shengm2 | 2006-03-19 22:02 | ・・・Overture 東京

2006年3月19日-午後2時40分 「中国語を忘れる日-3」

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風が強くなってきた。
水上バスでこの浜離宮恩賜庭園に来ると、ちょうど汐留側の正面から入園した人の流れと逆に歩くことになる。浅草寺も裏から入って人の流れに逆行して仲見世に抜けた。
東京へ来て初めて歩いた道を逆にたどれば、元の自分に戻れるだろうか?
時計の針は元に戻らない。
当たり前だ。

ときどき、時計の針を逆に回したくなる。
しかしこんな子供じみた真似事をしてまで、元に戻したいものが何なのか。
本当に自分でわかっているのだろうか?実はそれもわからない。

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菜の花が満開。おじいちゃんツアーの人たちに写真を撮って下さいと頼まれる。
入り口附近の白い小さな花。今はもう取り潰したけれど、故郷の老家の庭に咲いていた。これはユキヤナギって言うんだ。

汐留から新橋に抜けていく道はかつて歩いたことがある。真新しい高層ビル街から、平凡なサラリーマンがアフターファイブを過ごすちょっとくたびれたような街へ。このあたりの劇的な変化が好きだ。
しかし、今日は新橋へは向かわない。

b0103502_19562816.gif汐留の日テレビルの日テレショップに寄る。
「世界一受けたい授業」のボールペンとストラップを買う。
今日は東京区内を一周する。山手線の始発駅は大塚だそうだが、ぐるっと回るとどこが出発点で目的地や終点がはっきりしない。
今日の出発点は東池袋、帰るのは池袋。汐留の日テレビルはちょうど中間点附近だからここが目的地といえなくもない。

ここから先は帰り道ということになる。
行きと帰り、始めと終わり、前半と後半・・・・・・
すべての物事には上り坂と下り坂があるかのようだ。なぜそんな風に考えるのだろう。今日をしっかり生きればいいではないか。

明日が突然なくなってしまうことだって、ありえないことではない。

少しさびしい気分になる。あせりと苛立ちがつのる。
どんなにもがいても、時間は逆には進まない。
当たり前だ。自分がどんな答えを求めているのかまだわからない。
汐留から都営大江戸線で六本木へ。

六本木ヒルズへ向かう。
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by shengm2 | 2006-03-19 21:45 | ・・・Overture 東京

2006年3月19日-16時00分 「中国語を忘れる日-4」

b0103502_2057317.jpg六本木アカデミーヒルズ、
東京へ来てここで初めて中国語の授業を受けた。1回だけの講習会のような授業だった。確かYangさんという某中国語学校の講師が先生だった。
「なんだ、中国人といっても日本人の女の子とおんなじじゃないか。」
初めての授業の感想がこれだ。
今までいったい中国人を何だと思ってたんだろうか、パンダとかエイリアンとか、別の生き物と思ってたんだろうか。
同一人種、同一文化の中で育った古い世代の日本人(つまり私のこと)は、外国人というと何か特別でないといけないような先入観がある。

私の場合、もっとすごい。
たとえ日本人でも、女性(特に若い女の子)は別の生き物だと思っている。
そんな自分に外国関係の仕事が勤まるだろうか、素直にそう思った。

突風。体ごと飛ばされそうになる。
東京は風が強い。
しかしこんな身の危険を感じるような風は初めてだ。

体の中で何か大きなものが動いたような気がした。

慌てて建物の中に入る。
東京シティビューへ。
実は展望台に登るのは始めてである。
以前来た時は、長蛇の列で待つのが嫌で帰ってしまった。
けっこう空いてる。
しかし相変わらす入場料が高い。
1500円。学生は1000円だ、私も一応早大エクステンションの学生だけどな。そういうのは通じない。
エレベーターに乗る。
b0103502_2058489.jpg
展望台。
方向を確認する。
上海は、東京から西南西の方角。その途中に京都がある。
実際、一直線上にある。
そんなことは地図を見れば明らかだ。明らかなのにわざわざ高い金払って確認することか?
六本木ヒルズから西南西の方角を見る。なにも東方明珠塔や京都タワーが見えるわけではない。(当たり前だ)
見えないからいいのだ。まっすぐ見る先に京都があり、上海がある。
地図の上で直線を引くのとは、違う感覚が生まれる(はずだ)。

サンセットカフェで少し休む。珈琲を飲む。
本当はココアが飲みたかった。しかしおじさんにココアは似合わない。
ただそれだけの理由で、私はかつてカフェでココアを頼んだことがない。
ほぼ100%珈琲である。
中年日本男性にそんな不自由な(?)制約があることは、あまり知られていない。

実は先日ハンバーガーショップで柚子ソーダを頼んだ。
実は少し恥ずかしかった。しかし、おいしかった。

一人で座って、じっとしていた時、突然何かが動くのを感じた。
風でビルが動いた、などというアホなことはない。

実はさっき、地上で突風にあおられた時、気がついていたんだ。
初めてここに来た時、私にとって中国人の女の子は見世物パンダと同じだったんだ。
そしてそれが彼女に対して失礼、ということだっただろうか?
そうじゃない。実は当たり前のことだ。
自分が理解できないものに接する時、人間は恐れを感じる。それ以上に好奇心が勝つ。
最初は人寄せパンダで仕方がない。
そのパンダが人間になり、しかもどうも自分たちと大して変わらない生活習慣を持ち、たまたま生まれた国が違って、異なった生活習慣と言語をベースに生きているということ徐々にわかってくる。
当たり前のことだ。でも当たり前のことでも、それがわかるかどうかは別だ。

東京と京都と上海が一直線上に並んでいることが事実でも、この場所から実際にその方向をじっと見つめて見ないとわからなかったように・・・。
さっき、突風に吹かれて、体ごと飛ばされそうになった時、その当たり前のことを、私はしっかりとつかまえることができたのかもしれない。(続く)
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by shengm2 | 2006-03-19 20:50 | ・・・Overture 東京
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みんなが幸せになるために。Angel hearts


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